チャーリーの日記帳

《真夏のミステリー・・・の巻》



うらめしや〜


     8月4日(月)


 おはよ〜。今日も暑くなり・・・ うわっ、おかあさん
どーしちゃったの? ねぇ、お顔壊れちゃったの? まるで
お岩さんみたいになっちゃってるぅ。

「うらめしや〜 って、違うよ! 右目が“ものもらい”になっちゃったのっ!」
へー、なにそれ。痛いの? かゆいの? おいしいの?
「ふー、まぶたが重いのよぉ。“ものもらい”なんていったい何十年振りだろ?
 真夏のミステリーだわ。」
ミステリーと言うよりも、その顔じゃ“稲川淳二の世界”じゃなぁい? ひゅ〜
どろどろ・・・ おそろしや〜。んっ、おかあさんが何かゴソゴソ取り出した。
もしかして新しいおもちゃ? 何だか、おとうさんが春先になるとよく使ってる
変装グッズに似てるんだけど、ちょこっとチビすけサイズだね。
「おとうさんのは花粉ガードのマスクでしょっ! これは眼帯。どう、似合う?
 カッコいいでしょ。“パイレーツ・オブ・カリビアン”ってな感じ?」
うーん、全然違いますね。海賊の眼帯は真っ黒じゃん。だいたい、おかあさんは
“海賊”ってゆーよりも、“海豚”って雰囲気だと思うんですけど。
「えっ、イルカ? 私ってそんなに知的かしら、うひひ。」
そーじゃなくって、クジラとか、トドとか、アザラシとか、そのてのドテーッと
した“海獣”の類かと・・・
「それって、眼帯とはまるっきり関係ないじゃない!」
まぁ、そんなに目クジラ立てないで。眉間のシワがますます深くなっちゃうよ。



おかあさんってば、やかまし〜よ。


     8月5日(火)


 ねぇねぇ、まだ夜じゃないのに、お外が真っ暗になって
きちゃったよ。さっきまですっごいカンカン照りだったん
だけどな。風も強くなってきたみたいだし、遠くの方から

ゴロゴロ聞こえてくるよー。
「ラジオのウェザーインフォで、雷注意報が発令されたって言ってたから、もう
 そろそろ雨も降ってくるんじゃないかなぁ。イヒー、楽しみ〜!」
おかあさんってば、雷とか大雨とか大好きだよねぇ。その度に窓オープンして、
ボクも一緒にお天気見物するんだ。これが結構楽しい! 今日も、もうかなり
テンション上がっちゃってるもんね。窓際にお座りして、はいスタンバイOK!
「ほーら、雨が降ってきたよ。おもしろくなりそ〜♪ 見ててごらん。」
ほんと、エキサイティング! 雷ピカゴロ、雨ジャージャー、風ビュービュー。
こんなに急にお天気が変わっちゃうなんて、これこそ、真夏のミステリーだね!
「チャーリー、あんまり外に乗り出さないでね。」
でも、今お外は不思議なニオイでいーっぱい。思わず、鼻がピクついちゃうよ。
「そんなに下ばっかりクンクンしてると、耳が汚れちゃうでしょっ。ほらほら、
 チャーリー、もっと頭引っ込めて。 ダメだよー、ちゃんと顔上げてってば!」
もーぉ、おかあさん、やかましすぎるよ。まったく、真夏のヒステリーだ・・・



チャーリーズ・ばりばり攻撃〜っ!
     8月8日(金)


 おかあさん、それ宅配便? 何が届いたの?
「おとうさんのシェービングクリームだよ。今日は台風の
 影響で午後の便がお休みになるんだって。だから早めに

配達してもらったの。」
ふーん、それってミステリーなの?
「いや別に、ミステリーでも何でもないです・・・」
ま、いいや。とりあえず、攻撃開始〜! がっぶーん、べりべりべりーっ・・・
『ピューン、
パッキーンッ!!
うわあ"っー! お、お、おかーさーん、中からオバケが飛び出してきたーっ!
「んー、どれどれ。わっ、ずいぶん大っきいエアークッションだこと。」
なになにぃ? それって、ものすごくおっかないオバケー?
「まあーね。でも、チャーリーのキバ攻撃でノックダウンしちゃったから、もう
 大丈夫だと思うよ。」
ふー、やれやれ。びっくりしたなぁ、もぉ。真夏はミステリーでいっぱいだ〜。
おかげですっかり涼しくなっちゃった。あとは、のんびりお昼寝でもしよ。あっ
そうだ、台風がきたらすぐに起こしてね。今度こそ、台風の目とにらめっこして
やっつけちゃわないとだから!
「台風は今まだ九州にいるんですけど・・・」



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