チャーリーの日記帳

《子犬の頃・・・の巻》



早くココから出してくれませんか〜?
   10月2日(木)

   あっ、おとうさん帰って来たよぉ♪ お帰り〜。今日も一日ごくろう様でした!
   今夜はおかあさんが苦手なお料理に悪戦苦闘して、お待ちかねだよ。うへへへ。
   ところで、昼間このおっきなダンボールが届いたんだけど、一体何なの〜?
   「あ、出張先でオーダーしておいたスーツが仕上がったんだなぁ!(嬉)」
   「いいなぁ、自分ばっかり…。」
   
そーだよねぇ。おとうさんばっかり、いいなぁ。せめてそのダンボールだけでも
   ボクにちょーだい。
   「そうよね。それ大きいから、チャーリーのセカンドハウスにピッタリかもぉ。
    試しにちょっくら入ってごらん、ほらー。」
   そ、そーじゃなくって、ボクはちょっとガジガジしたかっただけなんですけど。
   あーあぁ、待ってよ、おかあさん。あぁ〜れぇ〜、入れられちゃったよ…。
   「うーわ、バッチリじゃない〜、居心地はどう? 何だか懐かしいねぇ。昔、
    よくスリッパを持ち逃げしたお仕置きで、ダンボールに閉じ込められたよね。
    まだ子犬の頃だよ。チャーリー、覚えてる?」
   うげっ、イヤーな記憶が蘇ってきた…。あの時、フタ閉じられて真っ暗な中で、
   ボクものすごく怖かったんだからあ。ああ、トラウマ、トラウマ…。
   「もうそんなワルさもしなくなちゃってさ、なーんかつまんないよ…。」
   なに勝手なコト言ってんだよぅ。ねえー、思い出にふけるのはいい加減にして、
   早くここから出してよー。早くうーっ!



爪切りか… ふぅ…
   10月5日(日)

   「チャーリー、こっちおいで。爪切りするぞー。」
   は〜、爪切りかぁ。あんまり好きじゃないけど、おとうさんのおヒザ占領できる
   から、まいっか。ソファにピョーン、おヒザにデレ〜。
   「おい、チャーリー、動くんじゃないぞ。」
   その体重に押さえ込まれたら、動きようがないっす…。
   「この爪だけ、やっぱりもう全然伸びないな。」
   「ああ、子犬の頃にショップで深爪されちゃった爪でしょ。」
   そうそう、あの時は痛くってボク大泣きしちゃったもん。流血事件だったよね。
   でもそれ以来、おとうさんが切ってくれるから安心なんだ。
   「あれれ、チャーリー君、やけに気持ち良さそうじゃない。寝ちゃったのぉ?」
   おかあさん、お願いだから、ボクとおとうさんの濃密な時間をジャマしないで。
   そんなに仲間入りしたかったら、ボクのお腹でもナデナデしててよ、ほら。
   ん〜、いい感じぃ。極楽、極楽………。ぐぅ〜〜〜、ピクッ…。



へっへっへっ、チキンボーンなのだ。
   10月7日(火)

   おかあさん、お帰り〜。どこ行ってたのぉ? デパートォ? おみやげはぁ?
   「うんー、ついでにペット・フロア覗いてみたら、可愛いおもちゃがいっぱい
    あったんだけど、君はもうおもちゃなんか喜ばないでしょ。子犬の頃はよく
    プープー鳴らしたり、クチュクチュしゃぶったり、おもちゃで楽しそうに
    一人遊びしてたのに、最近は全然だもんね。相手しなきゃ寝てばっかり…。」
   だって、ボクもう立派な青年犬だよ。おもちゃなんかでハシャいじゃうような
   お子ちゃまじゃないんだから。
   「その割には、しょっちゅうキュンキュン鳴くよね…。ま、それはいいとして、
    おもちゃ替わりに、こんなん買って来ましたけど。」
   なになにぃ? うわッ、これチキンボーン? こりゃまた、どデカいねーっ!
   「ちょっと形がグロテスクなんだけど、チューイング・トイだから、歯の健康に
    いいらしいよ。どう、チャーリー、気に入った?」
   おかあさん、ちょっと黙っててくれない。ボク久し振りに一人で集中できそう。
   「そう、良かったねぇ。じゃ、写真でも撮っちゃおうかな。はい、お座りぃ!」
   早く早くぅ、カッコよく撮れた? OK? 今度こそもうジャマしないでよね。
   ヒヒッ、これ楽しいよぅ〜♪ ガリゴリガリゴリガリゴリガリゴリ…。



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